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最新の活動報告
高校生で、基本情報試験突破を目指す!2024年八王子東高校での後期講習振り返り
記事の概要
2024年の9月から12月の間、私たちミラパブは東京都立八王子東高等学校にて、合計3回基本情報試験対策の授業を行いました!基本情報試験とは、国家資格の試験であり合格率25%程度の高難度の資格試験です。主に理系の高校や大学生の方が取得を目指す事が多いのですが、こちらの学校は普通科でも情報系の資格獲得が必要だと判断され、その分野のエキスパートも多いミラパブに授業をご依頼されたという流れです。
因みにこちらの学校では元々今年の夏に基本情報試験対策のご要望を頂いていたのですが、そちらが好評であったことも受けて、追加で3回後期の土曜日に授業を開催した次第です。
*夏の授業開催について情報を集めたい方は、こちらの記事をご参照ください。
授業においては、メンターのすかねき(國武悠人)さんが基本情報技術者試験の対策を、高校生の生徒の方々約10名に対して計12時間実施した次第です。復習による学習の定着効果も見越して、各授業は1か月以上間を開けながら実施した次第です。
そしてこのページでは活動報告の一環として、3回に渡る授業開催の様子や雰囲気を当日の写真を交えながらご紹介いたします。特に学校での授業開催に関心がある方や、私たちを外部講師として学校に呼ぼうかどうか悩まれている教員の方にとっては、何らかの参考になるかもしれません。
*補足:訪問授業とは?
訪問授業とは、教育機関との連携の元、様々な領域のエキスパート達であるメンター(社会人から学生まで、いろいろな年代の方がいます)が訪問先の学校の生徒に向けて、自分なりの生き方探しと視野広げを支援するような授業を行うという活動です。教育機関の方であれば、地域、また単発と複数回問わず無償で授業依頼ができるので、メニューから開ける「授業依頼」のページより遠慮なくご相談ください。
講師メンターの紹介
先ずは今回の授業を担当する事になったミラパブメンターのすかねきさんについて、こちらで紹介いたします。
すかねき(國武悠人)とは…
VR文化を守るため、政府への政策提言などを精力的に行っているNPO法人「バーチャルライツ」の創立者。大学一年時から論文を書き、また過去には経済産業省後援のITのモノづくりコンテスト、未踏ジュニアにてスーパークリエータに認定された事もあるなど、他分野にわたる活躍を見せている。
すかねきさんのTwitter(X)アカウントはこちらから!
本名アカウント(フォーマルな発表はこちらでされることが多いです)
授業の様子
ユーモアの1回目
1回目の授業は、9月末に開催されました。
この回においては、夏期講習の際にあまり扱えなかった基本情報試験午前問題=暗記ベースの試験の対策を実施しました。具体的には、ソリューションビジネスとシステム活用推進、経営組織と経営・マーケティング戦略、ビジネスインダストリ、知的財産権とセキュリティ関連法規、労働・取引関連法規と標準化の範囲について学習を進めた次第です。専門用語も多い範囲で分かりづらい点も多くなるかと思いきや、すかねきさんの豊富な知識と語彙による学校の部活や勉強に例えたわかりやすい指導が展開されました。また、夏期講習のアンケートで多数を占めていた演習時間を長くして欲しいという要望を活かし、自分で問題を解く時間を多めに配分しました。
さらに授業後半ではすかねきさんの話や教科書の中で重要だと思ったことをメモさせ、その後メモした箇所を生徒同士で説明し合う時間を15分設ける事を通じ、メモの習慣を身に着けてもらうための、また復習を効果的に実施するためのワークも設けました。 さらに休み時間にはAIの使い方や消費者契約法の使い方、中高生向けイベントの紹介といった直接講習には関係ないものの生徒の方々に実用的な話も面白おかしく共有し、硬いテーマにも拘らずユーモアと広範な学び溢れる授業を実施する事に成功しました。 以下に、アンケート結果も一部お見せします。
確認テストの2回目
後期授業2回目の授業は11月初旬に開催しました。
今回は単に講義をするだけでは生徒の現状の実力把握が曖昧になり、やった感のある講義になることを避けるべく、授業前に私たちの方で用意した実力確認テストを解いてもらい、平均得点率に応じ授業内容を調整する取り組みを行いました。
その結果、テストの平均得点率は50%程度で(合格は60%の得点率)ありましたが、他方で問題を解くスピードは平均して遅い(1時間で解いてほしいテストでしたが、1時間半かかった方が大半でした)という現状が明らかになりました。所謂、ぼんやりと内容は理解しているが、スピードをつけて正確に解けるほどの練度ではないという状況です。
この状況を踏まえ、2回目は基本的な講習内容に加え、より効率的に勉強を進める学習法の伝授を行いました。 先ず授業前半は、試験の振り返りを行いました。 生徒の方の所感も聞いてみたのですが、ある程度は解けていたものの全体としては出来が悪く、3文字の英単語やマネジメント領域の問題といった、既に理解できていると思っていた知識が意外とあやふやであることに気づきがっかりしたといった声を共有してくれました。
しかしすかねきさんは生徒の現状を冷静に分析し、あと10%の問題を正解でき、またスピードを上げて解けるようになれば来年の合格は見えると励まされていました。また基本情報試験がもし上手く合格できなかった場合の対策として、情報セキュリティやITパスポートといった資格試験も同時に受けるという、実体験に基づいた保険ありの受験スタイルも伝授しました。
授業中盤は、前回に引き続き基本情報試験の午前試験の対策授業を実施しました。 具体的には、論理演算、計測と制御、AI(人工知能)、データベース系統の単元全般、セキュリティ等を扱った次第です。 ホワイトボードを使った図での説明はもちろん、AIについての解説では動画も披露するという風に、視覚的にわかりやすい説明を心がけ指導を行いました。
そして授業後半では、自宅での効率的な学習方法の話をした次第です。例えば、基本情報試験の過去問道場というサイトの紹介の他、午後試験の問題の練習方法についても、実演を交えながら説明した次第です。望ましい勉強方法として、科目Aは過去問道場を毎日8回は回すことを、科目Bについては1ヶ月に2~3回分の過去問を解くことを進めました。 さらに本筋の授業以外ではユーモアのある話も繰り広げられ、眠い時の復活方法の伝授の話や、近日中多くの大学で合格発表のあった総合型選抜の話を、基本情報試験を受ける意味も交えながら面白おかしく雑談しました。
こちらに、アンケート結果も一部お見せします。
仕上げの3回目
最終回の後期講習は、12月中旬に開催しました。この回ではこれまでの講習の総仕上げとして、基本情報試験対策教科書の未履修範囲を3~4つ扱いつつ、生徒の方の振り返りを促す流れの授業を行いました。
先ず授業前半は、教科書に関する最後の講習を行ないました。 具体的には、ネットワーク方式、通信プロトコル、ソフトウェア開発、オブジェクト指向論理演算などの科目Aの重要な単元を扱い、教科書内の頻出領域を遂にカバーしきることができました。
授業後半では、生徒の方に振り返りたい単元を聞いて、その箇所の理解度をテストした後、理解の深さに応じて復習をするという演習を1時間15分ほど行いました。具体的には、CPU、アルゴリズムとプログラミング、論理演算を振り返ったりしました。CPUについてはまだまだ復習が足りていなかったので、今回のように学び直すことの重要性を体感し、建設的な危機感を持っていただく契機が作れました。
他方でアルゴリズムとプログラミング(科目B)や論理演算については全生徒がテストを完答出来ており、夏休みから続けた演習の成果と、生徒の方々の自習の頑張りの結果が出ていることを体感できた次第です。 授業におけるユーモアも相変わらずの好調であり、ロシアからYoutubeを見る方法に関する基本情報試験の話の応用や、ミーム「顧客が必要としたもの」など、実社会や面白い話に結びつけて眠くならない授業開催に尽力できた次第です。
因みに、最終回後もただ放任する姿勢を取るつもりはなく、試験突破できる実力がついたのかを確認する最終テストを、来年1月頃に生徒の方に共有する予定です。
以下に、アンケート結果も共有しておきます。
総評・改善点
以上のようにして、基本情報試験対策の後期講習授業は終了しました。授業後満足度1~5で表せるアンケートを取ったところ、3回とも平均満足度4.2以上を記録し、安定した高品質な授業が開催で来たものと見込まれます。
また、最終回まで受講された11名の生徒の方の試験合格率は、来年4月頃までに先生の方から教えていただく約束をしておきました。多くの理系の学生が受け、平均合格率が25%と比較的高難度の試験を、普通科の高校生がどこまで突破できるようになるのか、私たちも楽しみです。
授業開催の下準備を整えてくださった八王子東高校の教員の方々、そして半年間にわたって2時間も出向くのに時間がかかる八王子東高校にて、教材の準備や試験準備、自習方法の支援や自分なりの生き方探しの方法共有など、考え得る最善の支援を生徒に対して愛を以て成し遂げてくださったすかねきさんには、心より感謝いたします。
最後に、私たち一般社団法人ミラパブはこちらの学校で行ったような授業を、場所や回数問わず無償で開催しております。
この記事を見て私たちの団体にある程度の信頼を持たれた教育関係者の方は、遠慮なくこちらのページより、訪問授業の相談や依頼をご検討ください。
これからも私たちは、無償での訪問授業開催を通じ外部団体と公的機関の連携の鏑矢として、使命を果たしていく所存です。