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最新の活動報告
県立高校で授業開催!2023年横浜国際高等学校での訪問授業振り返り
記事の概要
2023年7月25日~27日の3日間、やりたいこと支援サークル主催での神奈川県立横浜国際高等学校での訪問授業が、uchanさん・けんちょんさんの協力の元催されました!
訪問授業とは、教育機関との連携の元、様々な領域のエキスパート達が訪問先の学校の生徒に向けて、自分なりの生き方探しと視野広げを支援するような授業を行うという活動です。これまで幾つかの学校で授業を開いてきましたが、今回の授業は、やりたいこと支援サークルの活動の中で19回目となる授業でした。授業の最終的な目標は、生徒の方々に、プログラミングに親しみを持ってもらい、またプログラミングを通じた自分なりの生き方を見つけてもらうことでありました。そして今回扱ったテーマは、プログラミングに親しみを持つためのライフゲーム(単純な規則で動く、生命シュミレーション)製作です。このページでは、私たちの団体の活動報告の一環として、3日間の授業開催の様子や雰囲気を当日の写真を交えながらご紹介いたします。特に学校での授業開催に関心がある方や、教員の方にとっては、何らかの参考になるかもしれません。
講師メンター紹介
先ずは、今回の授業を担当する事になったけんちょんさんとuchanさんについて、こちらでご紹介いたします。
けんちょん(大槻兼資)とは…
「 ITエンジニア本大賞2021 特別賞」を受賞した2万部突破のプログラミング学習本『アルゴリズムとデータ構造』の著者の方です。 雑誌「Software Design」にて、「パズルで鍛えるアルゴリズム力」の連載を執筆していて、現在は株式会社モノグサにお勤めのプロフェッショナルであります。
Twitterアカウント:https://twitter.com/drken1215
uchan(内田公太)とは…
サイボウズ・ラボの研究員で、『ゼロからのOS自作入門』の著者でもある方です。OS自作の他に電子工作にもかなり関心があり、自身が運営する『uchanの電子工作ラボ』では、来客者に電子工作のいろはを教えている、実力派の技術者であります。
Twitterアカウント:https://twitter.com/uchan_nos
当日の様子
3日間にわたる長丁場の授業でしたので、ここからは各日に分けて、その日の様子を詳述致します。
1日目
初日の授業は、オンラインでuchanさんが行いました。約120分間の授業であり、今後2日にわたるプログラミング演習の授業に向けた、Pythonの基礎演習に取り組んでいただきました。これは2日目の授業とは違って任意参加の授業でしたが、自らの意思で9名の生徒の方々が参加してくださりました。そして意外にも、プログラミング未経験の方は少なく、手探りながらも生徒の方々皆が、徐々にPythonの文法に馴染んでいっていました。
初日という事もあってか、コーディングにおけるエラーの対処方法に悩まれたり、エラーの発生自体を恐れていた方も多かったですが、これについてもuchanさんは、「エラーは友達なのだ」というアドバイスを共有してくれました。多くの場合正解する事が求められる学校にいらっしゃる生徒の方々は、どうしてもエラーに対しても恐怖心を抱いてしまう事が多いです。だからこそ、そんな生徒の方々にエラーが起こることは決して恥ずかしい事ではないという事を、初日からお伝え出来たのは、大変有意義でありました。
初日という事もあってか、コーディングにおけるエラーの対処方法に悩まれたり、エラーの発生自体を恐れていた方も多かったですが、これについてもuchanさんは、「エラーは友達なのだ」というアドバイスを共有してくれました。多くの場合正解する事が求められる学校にいらっしゃる生徒の方々は、どうしてもエラーに対しても恐怖心を抱いてしまう事が多いです。だからこそ、そんな生徒の方々にエラーが起こることは決して恥ずかしい事ではないという事を、初日からお伝え出来たのは、大変有意義でありました。
2日目
2日目からは、オフラインで約5時間の授業をけんちょんさん、uchanさんが催しました。この日の参加者が一番多く、夏休み中にもかかわらず、述べ10名の生徒の方々が学校まで出向いて、授業に出席してくれました。
ライフゲームの制作演習では、ペアプログラミングを行って頂きました。これはプログラミングの手法であり、生徒の方々が二人でペアを組んでもらい、コードを書くドライバとそのサポートをするナビゲータで役割分担しながら、一つのコードを完成させるというものでした。しかし、まだ2日目なこともあってか、配列が0番目から始まる事や、ローカル変数とグローバル変数の用途の違い等に最初は気が付かず、それによって生じるエラーに、どの生徒の方々も悪戦苦闘されていました。
一方で授業後半になると、uchanさんも思いつかなかった方法でライフゲームの構造をコーディングされた方や、ライフゲームを制限時間内に完成される方が現れ、講師側としても、生徒の方々の目まぐるしい成長が楽しめる一日となりました。特に、2日目からライフゲームを完成される方が2人現れたのは、私たちとしても良い意味で想定外の事態でした。何故ならば、ライフゲームは初学者にとっては非常に難解なコードを書く必要があるため、3日間の間に完成までたどり着ける方は現れないだろうとの予想を立てていたためです。
3日目の様子
最終日は、2日目から引き続きオフラインで約5時間の授業をけんちょんさん、uchanさんが催しました。予定が合わない方もいたせいか、参加者は6名でしたが、どの方々も熱心に授業に向き合ってくださりました。授業開始1時間の演習は、生徒の方が3名しかいらっしゃらず、ペアプログラミングの実施が難しい状況ではありましたが、そこは講師の方お二人が力を合わせて、「モブプログラミング」という手法での演習に変更する事で、見事に対応されました!これは、3人以上で一つのコードを書く演習であり、ペアプログラミング以上に他のチームメンバーとの連携が求められる演習であります。最初は難しいかと思われましたこの演習ですが、2日目のペアプログラミングの経験もあってか、生徒の方は見事お互いに相談・協力しながらライフゲーム制作に向き合い続けることが出来ていました。残念ながら、今回は制限時間内にライフゲームは完成しませんでしたが、皆が悔しがりながらも満足げな表情で、演習を振り返っていました。
その後はけんちょんさん・uchanさんがペアプログラミングで、僅か20分でのライフゲーム制作に挑戦されました!いくつか縛りを設けたにも関わらず、2分余らせて完成にこぎつけていたところは、流石プロといったところでした。
授業後半は、3日間の総括として、
・この授業でやったこと
・この授業で学んだこと
・次にやりたいこと
この3つを、ふせんを使って振り返る時間をとりました(この振り返り方法を、YWT法といいます)!学びを振り返ってみると、なんとも濃密な3日間であったことが分かったとのお声を、いくつかいただけました。
振り返りの後は、講師が人生の道程を語りました。今回の授業の最終的な目標は、生徒の方々に、プログラミングに親しみを持ってもらうだけでなく、プログラミングを通じた自分なりの生き方を見つけてもらうことでもありました。そのため、幕引きの前にプロフェッショナルの人生の歩き方の共有を通じた、生徒の方々の将来の生き方探しの支援を行った次第です。
uchanさんからは、受験とは学歴の為だけに取り組むものではなく、大学で良き仲間と出会うための最高の自己投資でもあるとのお言葉が伝えられました。そしてけんちょんさんは、専門分野を持つことが世界中の人たちと交流する楽しい生き方に繋がるという、違った観点からのアドバイスを共有してくれました。
総評・改善点
以上のようにして、3日間の授業は終了しました。授業後満足度1~5で表せるアンケートを取ったところ、平均満足度4.2を記録したため、総じて生徒の方々にとって、学びの多い有意義な授業になったと思われます。一方で、3日間の参加者が安定しなかったことは、今後の改善点です。今回の訪問授業は、所謂任意参加の特別授業として開催をしました。この特別授業はほかにもいくつかあるのですが、他の授業の多くが1日で終わるものでありました。そのため、3日という長い期間継続的に授業に参加する事が、遠方から学校に出向いて参加される生徒の方々にとって、負担になってしまったのかもしれません。機会があればこちらの学校で来年も再び授業を開きたいところですが、今回の反省を踏まえ、その場合は1日に凝縮した授業開催に取り組みたい所存です。
とはいえ全体としてみれば、当初の目的を達成できた最善の授業であったと言えます。その理由は、生徒の方々にとってプログラミングに親しめて、またプログラミングを活かした進路の方向性も探れたことが出来たためです。
開催にご尽力して下さった横浜国際高等学校の教員の方々、けんちょんさん、uchanさんには、そして何より授業を受けてくださった生徒の方々には感謝しかありません! 今年のやりたいこと支援サークルは、引き続き公的な教育機関と連携しての授業開催と、従来のオンラインコミュニティ運営を並行して行っていく所存です。今後の活動に、乞うご期待ください。
追記:教員の方々向けの資料公開
こちらに、本記事の授業内容をまとめたポスターもPDFの形で共有しておきます!教員の方々で、やりたいこと支援サークルを呼ぶための管理職の方への説得材料として、このポスターを授業の前例紹介として学校で活用されたい方は、遠慮なくダウンロードしてみてください。